鶴屋山登山記-その3-キョンと古泉がほじくり返した山頂
めがっさ間が空いてしまいましたが鶴屋山のモデルと思われる甲山(かぶとやま)を紹介する企画、「鶴屋山登山記」の3回目です。
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- 甲山=埋めるというイメージ
息を切らして辿り着いた陸橋の頂上で、バット入れを背負った学ラン姿、春瀬文彦とバッタリと出くわす。敦樹が止まると文彦は三輪自転車の後ろ、荷台に載せられている白井の方へと向かった。
「うわぁ白井先生、本当に来ちゃったんだ……。これから甲山に埋めに行くの?」
「死んでない」
伊都工平「天槍の下のバシレイス1」57〜58ページ
上術の引用は伊都工平さん著の電撃文庫「天槍の下のバシレイス1」
- 作者: 伊都工平,瑚澄遊智
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2004/10
- メディア: 文庫
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からの引用なのですが、この作品も「涼宮ハルヒ」と同じく西宮を舞台のモデルにしており、甲山が登場します。上のシーンの場所は国道171号線が阪急今津線門戸厄神駅をまたぐ陸橋だと思われます。ちょうど甲山がよく見える場所だったりします。
そして「ハルヒ」と同じく「バシレイス」でも「甲山=埋める場所」とされているのが面白いところ。元々、兜を埋めたから「かぶとやま」と呼ばれるようになったとも言われているので、地元の人には「甲山=埋める場所」というイメージがあるのでしょうか。
確かになにか埋まっていそうな感じではありますね(笑)。時間があれば「天槍の下のバシレイス」の巡礼もやってみたいものです。
- 甲山山頂
前回登った南東側登山道を登りきると、芝生の広場に出ます。
小さな山だけあって山頂にもそれほどのスペースはなく、そこかしこを掘り返しているうちにそこら中が穴だらけになった。
という作中の描写よりは広い感じ。広場の直径は100メートルくらいでしょうか。ピクニックで登る価値はあると思います。朝比奈みくるお手製のお弁当があれば。
しかし残念なことに山頂の周囲は立ち木で囲まれていて、眼下の景色を見ることはほとんどできません。20〜30年前は見ることができたそうなのですが、雑木がのびてしまったようです。
前回も書きましたが、南東側登山道の八合目付近からですと絶景を眺めることができます。上の写真は東の上ヶ原浄水場(扇形の池)と更に東にある谷川流さんの母校、関西学院大学を眺めたものです。写真上方を左右に流れる緑の帯は武庫川、それに左方で交差している線は山陽新幹線です。武庫川と山陽新幹線が交差している地点を甲武橋と言い、ここも「天槍の下のバシレイス」(1巻76ページあたり)の舞台のモデルです。
山頂の説明に戻ると、幾つか建てられているものがあります。まず測量用の三角点。
また「平和塔」というものが南東登山道の上がり口に建っていますが何が目的なのか分かりません。案内板があるのですが柵の中なので読めないのです(爆)。もう少し案内板の位置を考えてください。(><)
- 実際に甲山に埋められていたもの
そして実際に甲山から発掘された弥生時代の銅戈(どうか)の案内板。
甲山銅戈と呼ばれ、日本で1例しかない珍しい形状をしているそうです。兜が埋まっていると言う伝承の山から祭器が発見されたことで当時は話題になったようです。が、再調査しても他には何も出てきませんでした。
「この山のどっかに埋めたって書いてあるんだから、埋まっているのは間違いないでしょ。あたしは鶴屋さんのご先祖様をそれなりに信頼しているわ。だから宝はあるの、きっと!」
というわけでSOS団の真似をしてここをほじくり返しても無駄ですので止めましょう。
- そして下り口
新たな穴掘り候補箇所を指差して、茂みに向かって歩き出した。道もないようなところをざくざく進み、登ってきたのとは反対方面に下りていく。
さっき、あっちのほうから下に下りてみたんだけどね。
と、ハルヒが下りて行ったのは多分ここです。
山頂西側の登山道下り口。実は道も標識もあるのですが、広場から一段降りたところなので、近付かないとちょっと分かりにくいです。事前に地図で調べていないと道があることに気付かないかも知れません。ここが1回目で登った「みくるとキョンが登った獣道」の終点であり、今度はここからSOS団が降りていくのです。
- 次回予告
4回目は再び、SOS団が降りる獣道と、降りきったあとの畑のあぜ道を紹介します。5回目で光陽園駅まで戻る道のりを説明して終了する予定です。