「涼宮ハルヒの分裂」の構成と続きに興味があるなら「学校を出よう!」を読もう
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谷川流さんの作品に電撃文庫の「学校を出よう!」というシリーズがあります。残念なことに同じ作者の「涼宮ハルヒ」シリーズと部数で比較すると恐らく1/50以下しか売れていないと思います。元々「ハルヒ」に水をあけられかけていたのに、「ハルヒ」のヒットで知名度に致命的な差がついてしまいました。ライトノベルって作者買いする人、少ないんですよね。
しかしあまり知られてはいないものの、この「学校を出よう!」、実際に読んだ人の間では「ハルヒ」と同じくらい高く評価されている(と思う)作品でもあります。
そして今が、この「学校を出よう!」を人様に薦めるチャンスかな、と思っています。それはなぜかと申しますと、まずは次に挙げる「涼宮ハルヒの分裂」の感想を読んでくださいませ。
ええと、「学校を出よう!」の最新刊ですか、これは。
MOON PHASE 雑記-「涼宮ハルヒの分裂」読了。
http://d.hatena.ne.jp/moonphase/20070329#p6
谷川流、なかなかやってくれますね。「学校を出よう!」を読んでる気持ちになった。
ぽんの今日も元気にゲームすっぞ!-「分裂」読了
http://d.hatena.ne.jp/pon8521/20070330/1175260367
ノリが『学校を出よう!』っぽい感じ。
とりあえず一言でこの巻を表すとやっぱ、ハルヒの世界を借りた学校を出よう!の最新巻、としか言えないよな。
Noxの日記-涼宮ハルヒの分裂
http://d.hatena.ne.jp/Nox/20070331/1175360067
このパターン「学校を出よう」でやらなかったか?
30までにプロポーズしたい声オタの日記-3月末の書籍
http://d.hatena.ne.jp/tailpromontory/20070331/1175396702
なんにせよ、「学校を出よう!」の方をお願いします。
カラッポ。nothing-『涼宮ハルヒの分裂』谷川流
http://d.hatena.ne.jp/blackrain/20070331#p2
これは「学校を出よう!」でのシステムを用いているんでしょう。
Rough Sketchy - blog-涼宮ハルヒの分裂
http://d.hatena.ne.jp/cozay/20070401/p1
話の構成自体を複雑にする、この作者の「学校を出よう」シリーズでおなじみ、(中略)っぽい仕掛けが出てきます。
njfの日記 つねにやるきなく 読書感想と旅行-涼宮ハルヒの分裂
http://d.hatena.ne.jp/njf/20070401#p1
ってゆーか、これなんて「学校を出よう!」?
ちょいヲタ日記 >また図書館に_-涼宮ハルヒの分裂
http://d.hatena.ne.jp/choiota/20070401#1175363884
ハルヒシリーズでこの手のギミックを入れてくるとはね!
(中略)
もう作者はとっとと「学校を出よう!」の新刊を執筆してください。
ひろつぼ-『涼宮ハルヒの分裂』 読了
http://d.hatena.ne.jp/hiro_tb/20070401/1175429654
「学校を出よう!」吸血鬼編と似たような感じだが、あれは物語を面白くする効果はなかったと思う。
kmoriのネタままプログラミング日記-涼宮ハルヒの分裂
http://d.hatena.ne.jp/kmori58/20070401/p2
「学校を出よう!」でも出てきた執筆の仕方と一緒だ。
いなかもんの思うこと-短文形式-
http://d.hatena.ne.jp/missterx2330/20070402/1175522390
学校を出よう!を思い出させるような感じで人を選ぶ構成だ。
黒白!弾幕薄いよ、何やってんの!-涼宮ハルヒの分裂/谷川流 【8/10】
http://d.hatena.ne.jp/mabomabo/20070402/p1
ベクトルとしては同氏の「学校を出よう!」に近いので、こういうのを受け付けない人もいるかもしれないけど。
24-Hour Survival-谷川流の才能は異常
http://d.hatena.ne.jp/Dryad/20070402/p2
ATフィーダー-涼宮ハルヒの分裂 谷川流
http://d.hatena.ne.jp/sukemon/20070403#1175603487
おいおいおい。「学校を出よう!」かよ。
ラノベ卍日記(仮)壱番館-『涼宮ハルヒの分裂』
http://d.hatena.ne.jp/ikusamiko/20070403/p1
『学校を出よう!』シリーズのほうに似合いそうな話だった。『学校を出よう!4,5,6』を縮小版で一緒にやっているような感じ。
早く昨日になればいい-『涼宮ハルヒの分裂』(谷川流/角川スニーカー文庫)
http://d.hatena.ne.jp/hasetyu/20070405/1175704098
ネット書評の所々で言われていることだけど、「学校を出よう!」のネタをハルヒに持ってきたような印象を受けた。本編でやれ! 本編でやれ! 本編をやれよ!
東の森 / ついかい-谷川流「涼宮ハルヒの分裂」
http://d.hatena.ne.jp/ryopxto/20070405#p2
何人かの方も書いていたけど,第二章からの仕掛けは『学校を出よう!』を髣髴とさせる.
十七段雑記-谷川流 『涼宮ハルヒの分裂』 (スニーカー文庫)
http://d.hatena.ne.jp/kanadai/20070408#1176046491
作りが次第に「学校を出よう」に似てきた感。
水色石の雑記帳-「涼宮ハルヒの分裂」
http://d.hatena.ne.jp/mizuiro_isi/20070410#p2
学校を出よう!みたいな感じの展開で、非常に興味深く面白いです。
大丈夫。ennpituの日記だよ。-涼宮ハルヒの分裂
http://d.hatena.ne.jp/ennpitu/20070419/p1
済みません、かなり恣意的に選んできました。けれども「学校を出よう!」を読んだ人が『「涼宮ハルヒの分裂」の構成が「学校を出よう!」と似ている』と感じることが少なくないことは分かって頂けると思います。
- 「学校を出よう!」とはどんな作品か
ではその「学校を出よう!」とはどんな作品なのかを簡単に言うと「涼宮ハルヒ」のSF成分を50%増量(当社比)したような内容です。ハルヒでいうと「笹の葉ラプソディ」「消失」「エンドレスエイト」「分裂」のようなエピソードが連続します。特に「分裂」のようなアクロバットな構成が、「学校を出よう!」では当たり前のように出てきます。出てきますし、最後はしっかりと着地します。
- 「涼宮ハルヒの分裂」の構成と続きに興味があるなら
ですので「涼宮ハルヒの分裂」の構成や、それが次巻「涼宮ハルヒの驚愕」でどのように収束するのか、に興味がある方は、「学校を出よう!」を読んでおいて損はないと思います。
次作の『〜驚愕』が本作『〜分裂』が取り上げた選択可能性の束を「ゲーム的リアリズム」が取り上げる文学性にまで昇華するのかどうか、するとしたらそれはどのようなものかとても興味深いところです。
ライトノベルりべRAる-小説『涼宮ハルヒの分裂』谷川流
http://montar.blog50.fc2.com/blog-entry-114.html
のように考えている方にもお薦め。谷川流さんのキャラクターや物語に対する考え方は「ハルヒ」よりも「学校を出よう!」の方によく表れていますので。上記のサイトの方は既に「学校を出よう!」を読まれているかも知れませんが。
- 「学校を出よう!」を読む際の注意点(2007/5/6書き直し)
ただし「学校を出よう!」を読む際には一つ注意して頂きたいのです。それは「1巻が面白くなくてもそこで止めないで欲しい」ということです。そう、残念なことに「学校を出よう!」の1巻はあまり面白くないのです。ファンである私から見ても面白くないのですから相当な面白くなさ(?)です。このシリーズが売れなかった最大の理由はここにあると思います。でも! でもここで止めるのはもったいない! せめて2巻は読んでください。2巻から急激に面白くなりますから!
……というシリーズなので、私としては次の2つの読み方のどちらかをお薦めします。
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- 1巻は読み飛ばす。とりあえず1巻はどんなイベントが起きたのかを頭に入力するだけにし、2巻からじっくり読む。
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- 2巻から読む。実は1巻と2巻はほとんど関係がない話なので、2巻から読んでもあまり差しつかえありません。さすがに3巻以降になると1巻も読んでおかないといけませんが。
ただし「学校を出よう!」を読む際には一つ注意して頂きたいのです。それは
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- 「学校を出よう!」は1巻と2巻以降で印象が大きく異なる
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- 1巻が肌に合わなくてもそこで止めないで欲しい
ということです。1巻は1巻で谷川流さんの作風が良く出ているのですが、あまり人気がありません。1巻で止めてしまう人も多いようです。でも! でもここで止めるのはもったいない! せめて2巻まで読んでみてください。また「分裂」のような変わった構成がはっきりしてくるのも2巻以降です。
……というシリーズなので、私としては次の2つの読み方のどちらかをお薦めします。
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- 1巻はたとえ肌が合わなくても我慢して読む。2巻からガラッと変わりますから。
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- 2巻から読む。実は1巻と2巻はほとんど関係がない話なので、2巻から読んでもあまり差しつかえありません。さすがに3巻以降になると1巻も読んでおかないといけませんが。
- その他にマニアックなところでは
このあたりは後ほどじっくり書きたいところです。