「学校を出よう!2」は1995年6月の話か
- 作者: 谷川流,蒼魚真青
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2003/08/01
- メディア: 文庫
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谷川流さん著「学校を出よう!2」が、1995年6月を意識して書かれているのではないかという仮説です。
この作品内では月日が6月10日〜6月13日と明記されており、その間に主人公達が何回も鉄道で移動します。そして利用する駅や路線は「学校を出よう!2」についての仮説その3 今津地上駅乗り継ぎ説でほぼ解明済みです。
すなわち、
です。
今回説明します仮説では、このうち
6月13日に西宮北口→神戸三宮に移動する経路
に注目します。
まず次の地図をご覧ください。
6月11日に主人公・神田Aは芦屋に行くことになります。そのため、西宮北口から阪急今津線で今津に向かい、阪神本線に乗り換えて阪神芦屋に行っています。
一方、6月13日には西宮北口から神戸三宮まで乗り換えなしで移動しています。つまり阪急神戸線で西宮北口から夙川・芦屋川を経由して移動したと考えられます。
しかしそう考えると、6月11日の神田Aの移動経路は不自然です。西宮北口から芦屋に行くのであれば、阪急神戸線を利用して芦屋川駅で降りた方が、今津経由で阪神芦屋で降りるよりも、速くて安いのですから。
ではなぜ6月11日に神田Aは阪急神戸線を使わなかったのでしょうか?
私の仮説はこうです。
6月11日時点では阪急神戸線を使って西宮北口から芦屋川に行けなかったからである。
そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、現実にそういう時があったのです。それは1995年6月でした。
次の地図をご覧ください。
阪急神戸線は1995年1月17日の阪神・淡路大震災による被害を受け、とりわけ西宮北口〜夙川間は高架が崩落したために長期間の運休を強いられました。そして西宮北口〜夙川間が復旧して全線開通したのは同年6月12日でした。
つまり「学校を出よう!2」の作中時間が1995年6月10日〜13日であるとすれば、6月11日の阪急神戸線を利用しない神田Aの移動経路に説明が付くのです。
そう考えると、「学校を出よう!2」における次の文は、「阪神・淡路大震災」という隠されたテーマへのヒントなのではないかと思えてくるのです。
「カセツだらけだな。まるで震災直後の焼け野原だ」