メモ - 「父の家」と「母の家」
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/02/22
- メディア: 雑誌
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「オール讀物」2008年3月号に掲載されている桜庭一樹さんの短編「冬の牡丹」を読んだ感想メモ。
まともに読むと、どシリアスで地味な小説です。が、家の中で父親の価値観が支配的か、母親の価値観が支配的か、という切り口はとっても桜庭テイスト。この切り口で今までの桜庭作品&キャラクターを分類してみると面白そうです。
- 「父の家」
- 「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」の海野家。ただし父親から危害を加えられる。
- 「私の男」の腐野家
- 「AD2015 隔離都市」のリョウコの家は「母の家」、というか母親になれなかった者の家か?
- 「Girl's Guard」の天花寺マリは祖父からの影響が強そう。
- 「赤×ピンク」の天王寺皐月はどうか? なんか「冬の牡丹」と似ていなくもない。
- 「GOSICK」のヴィクトリカは母親からの影響が強そう。久城一弥は父親の価値観と対立。
- 「推定少女」の巣籠カナは父親がおらず、義理の父親にも危害を加える。が、母親からの影響も弱い?
- 「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」の山田なぎさは父親がいないが、母親からの影響も弱い?
- 「少女には向かない職業」の大西葵は父親がおらず、義理の父親にも危害を加える。が、母親からの影響も弱い?
- 「少女七竈と七人の可愛そうな大人」の川村七竈は父親がおらず、母親からの影響が強そう。祖父もいる。
- 「ブルースカイ」のマリーの家はどうか?、青井家はどうか?
- 「青年のための読書倶楽部」の烏丸家はどうか? マリアナの家はどうか?
まだ全然考えが整理できていません。が、多分この「父親の価値観」「母親の価値観」はこれからの桜庭作品でもずーっとテーマになり続けるっぽいのでゆっくり考えたいと思います。それとこの切り口ならば「AD2015 隔離都市」「竹田くんの恋人」「Girl's Guard」といったあまり注目されない作品にも、(桜庭さん自身も気付いていない)意味が隠されていそうに見えます。