構造主義/ポスト構造主義をかじってみるの巻
- 世界観・ストーリー・キャラクター説
世界観・キャラクター・ストーリーライン、なんていう風に理解している。
REVの日記-シナリオのイメージ(I)、シンボル(S)、リアル(R)
http://d.hatena.ne.jp/REV/20060307#p7
「ライトノベルは<キャラ・世界観(設定)・文章>の3要素に分割できる」という言い方が出来るかもしれない
ハー○イ○ニー観察日記-嵩峰龍二先生の話とか
http://d.hatena.ne.jp/tdaidouji/20060307#p1
大塚英志さんは「キャラクター小説の作り方」の中でキャラクター小説*1は「アニメやまんがのような小説」と「ゲームのような小説」に分けられ、そのうち「ゲームのような小説」は次のよう成り立っていると説明しています。
『ロードス島戦記』という小説が最終的に出来上がるのにはいわば三つの異なる立場が存在した、とも言えるのです。
つまり、世界観及びルールを作るゲームデザイナー、その中で成立する具体的な一本一本のお話を管理するゲームマスター、ゲームマスターにリードされて役割を演じるキャラクターの三つです。
(P181、TRPGにおける三つの立場)
いわば三者の相互関係の中でそれぞれの領域は変化し、豊かになっていくのです。つまりキャラクターは具体的な「お話」とある「世界」の中を行動することを通じて「生き生き」とするのだし、「物語」はキャラクターによって演じられて初めて具体的なものになるわけです。
(P185、原作者とは「リプレイ」の創作)
ただしぼくはここでその三つがまんべんなくバランスがとれている小説だけが正しいとは言いません。
(P189、あなたはゲームマスターか、それとも?)
大塚英志「キャラクター小説の作り方」(講談社現代新書) 第七講「テーブルトークRPGのように小説を作る、とはどういうことなのか」
ではもう一つの「アニメやまんがのような小説」の場合はどうかと言うと、……うーん、書いてあるのかも知れないですが私にはよー分からん。(待て)
- テクスト相互連関性(間テクスト性)
ここで話はいきなり飛びますが、今読んでいる本
- 作者: 鈴木晶
- 出版社/メーカー: 講談社
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- メディア: 新書
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- ポスト構造主義は、それまでの構造主義を静態的・閉鎖的であると批判するところから出発。構造を動態的にとらえ、構造が生成する仕組みを明らかにすべきだ、大事なのは構造ではなく構造化だ、と提唱。
- ジュリア・クリステヴァは、テクスト相互連関性(間テクスト性、相互テクスト性)という概念を提唱。テクストは、「書き手−テクスト−読み手」という水平関係に属するが、「先行する(あるいは同時代の)テクストとの対話関係」という垂直関係にも属する。
- テクストは独立した個別的・閉鎖的なものではなく、複数のテクストが交錯する場である。どのようなテクストも、さまざまな引用のモザイクとして形成され、もう一つの別なテクストの吸収と変形に他ならない。
あー、やっと「テヅカ・イズ・デッド」(のP71〜P79あたり)で伊藤剛さんが言いたいことが分かってきた気がします。「フロイト以後」ではさらにこう続きます。
ここまで読んでようやく「ユリイカ」1月号で斎藤環さんと東浩紀さんと伊藤剛さんが一体何を言い合っているのかおぼろげに掴めてきましたよ。(^^;
「フロイト以後」はさらにこう続けています。
順番が逆になってしまいましたがラカンの三分法というのはテクストが想像界(リマジネール=イメージ:I)、象徴界(ル・サンボリック=シンボル:S)、現実界(ル・レアル=リアル:R)の三つに分けられ、しかも三つが互いに影響を及ぼしあっているという考え方です。id:sirouto2さんの使われているISR分類というのがまさにそれです。
「キャラ/キャラクター」は決定的に分けられるものではなくて、要素の配分的なものですよね。そのときの要素として図像があるわけですが、「キャラ」において図像的同一性はあまり本質ではないと思うんです。むしろ言葉で記述できるいくつかのポイントこそが本質で、それを精神分析の言葉で言えば、想像的同一化はただ一つの特徴に対してなされるという話になる訳です。
「ユリイカ」2006年1月号158ページ、「キャラ/キャラクター」概念の可能性
という斎藤環さんの発言は、「キャラ/キャラクター」という(クリステヴァ的?それともデリダ的?)二分法をラカンの三分法(のうちの想像界と象徴界)で捉え直す作業なのですな。しかし、こうした専門的な話は注釈でも付けてくれないと、私のように知識の少ない者には全然分からないのですが。それくらいは勉強してから読めということですか。(汗)