「分裂」的な谷川流作品(微妙にネタバレ)

 涼宮ハルヒシリーズの次巻は「涼宮ハルヒの分裂(仮)」のようですね。まだ仮題なのでしょうが、仮に刊行までにタイトルが変更されても、2人以上のハルヒが出てくる内容である可能性大です。

 それでもって、今までも繰り返し書いてきましたが、谷川流さん作品のキャラクターは、1人の確固たる存在というより、拡散・乖離して描かれることで印象付けられることが多いです。例を挙げますと

  • 学校を出よう!4
    • 仲嶋数花#1/#43/#46/#124/#125/#158/#217/#239/#240/#241/#256
  • 電撃!!イージス5
    • 凌央/黒凌央

 こんな感じです。タイムトリップやメタフィクション、ストーリー分岐、平行世界などのギミックを使ってキャラクターを揺さぶっています。「笹の葉ラプソディ」ではタイムトリップしたキョンの前に、ハルヒが過去の姿で、みくるが未来の姿で、そして長門が現在の姿で登場する訳ですが、本当に上手いですよね。(こういうパラレルなキャラクターの扱いが、東浩紀さんの唱える「ゲーム的リアリズム」に近いと個人的に考えているのですがどうなのでしょう。)

涼宮ハルヒ」シリーズの場合、「消失」で長門が、「陰謀」でみくるが拡散していたので、次がハルヒの「分裂」の番だとしてもなんら不思議ではないですね。

*1:作中では特に区別して書かれていません。私が勝手に記号を振りました。