私は今、大変後悔しているのです

 やらなければいけない作業が沢山あるので、現実逃避してメディアワークス通販本「電撃h」に掲載されている谷川流さんの短編「MW号の命題」を読みました。

 この2004年9月公開の短編「MW号の命題」は、恐らく谷川流さんの商業作品では最も知名度の低いものです。ためしにWikipediaはてなキーワードを覗いてみました。

 うーん、見事に言及されていません。

 かくいう私もこの短編を以前読んだつもりになって、パラパラとページをめくったのですが……すぐに自分の記憶の間違いに気付きました。内容が全然記憶にありません。ということは、私はこの短編を読んだことがないのだ!

 そして読み終えたあと、とてもとても後悔いたしました。

 しまった。

 あと2ヶ月前にでもこれを読んでいたなら、無理矢理にでも海燕さん安眠練炭さんに送りつけて読ませていたのに! そうすればきっと海燕さんも安眠練炭さんも(というかどちらかお一人ですが)谷川流本の原稿で詰まることなどなかっただろうに! だってこの短編、谷川流さんの作風がこれでもかというくらい濃縮されてるんですから。後に「ハルヒ」や「絶望系」や「ボクのセカイをまもるヒト」で使われるアイデアがいくつも試されているのですから。完成度は低いのですが、その代わりに谷川流作品の構造と長所(と短所)が露わになっています。これ、谷川流ファンにはたまらない1作ですよ。たぶん海燕さんや安眠練炭さんならこの短編の感想と分析だけで1冊本が書けてしまうでしょう。ああ〜こんな作品を本棚の奥に埋もれさせていたとはなんということだぁあ!!!!1

 ぎをらむ、一夏の不覚。