かつて大塚英志さんが「ライトノベルブーム」に対して寄稿した言葉

ある日突然「ライトノベル」という言葉が無くなったとして、それで何か困るか?というと、別に困らないでしょ、というか。いや、困る人もいるのか。


例えばの話をしないか-そもそもライトノベルなんてものは存在しない
http://d.hatena.ne.jp/hal-e/20071005/p1

 以前に「ザ・スニーカー」で、突然「ライトノベルの取材」を受けることが多くなったので、スニーカー編集部から取材陣に「ライトノベル・ブームってなんだ!?」と逆取材する企画を行ったことがあります。その時、大塚英志さんはかなり辛辣なことを書いています。とはいえ、大塚英志さんは意図的に辛辣なことを書くことが多いようなので、どこまで真に受けて良いのかは難しいのですが。

もし君たちがライトノベルズとくくられる小説が本当に好きならば、そんなことばにはまどわされないことだ。いつの時代にも若い世代に「これが新しい」と言うことが仕事の人がいるだけの話であって、しかも、「新しい小説」の「新しさ」に多分、君たちもまた、やがてあっさりあきてしまうはずだ。
 それでも、まだ、小説が読みたいと君たちが思った時、「新しさ」とか「ブーム」とかとは違う場所にある小説がたくさんあるし、その時、君の大好きであった作家が、その時の君たちに必要な小説を用意して待ち受けていてくれれば、そんなにうれしいことはないはずだ。
 その時、それが何と呼ばれるかは全く問題ではなくなっているはずだ。



大塚英志大塚英志、語る』「ザ・スニーカー2005年2月号」「ライトノベル・ブームってなんだ!?」213ページ