犯人はあいつだ!

帯万歳っ!!

なお、似たような事例としてはジャンクフォース2があります。

こっちの表紙絵を見た後にこっちを見てください。見る順番は厳守すること(笑)

ジーク帯!

 まいじゃー推進委員会「心に残るあの台詞」2005年11月14日(月)より。

 まあ。極楽トンボさんったら、はしたないですわ。

 それよりも聞いてください、刑事さん。

 わたし、見たんです!

 7月のSF大会の後で、あやしげな男が極楽トンボさんに近付いて行くのを。

 その男は極楽トンボさんに「ジャンクフォース2」を手渡したんです。

 そしておもむろに「帯をめくれ」と命令したんです。

 その男の正体は……済みません、私です。(ダメじゃん!)

力があるといえるのは模倣者ができたとき

 芸術家に力があるといえるのは模倣者ができたときだ。ミレーやクールベ、ルソーから免状をもらった者がいるかい。でも、多くの画家が彼らからの影響を受けて、彼らに引き寄せられている。
ルドン
巨匠に教わる絵画の見かた (リトルキュレーターシリーズ)、9ページより)

 私の大好きな言葉です。ライトノベルが芸術だとは思いませんが、創造性があるという点では、上のルドンの言葉はライトノベルにもあてはまると思います。

 さて、「ライトノベル完全読本Vol.3」で

ライトノベル完全読本 vol.3 (日経BPムック)

ライトノベル完全読本 vol.3 (日経BPムック)

アルスラーン戦記」「スレイヤーズ」「ブギーポップ」の3作品が「ライトノベル3大作品」として取り上げられています。このことに対して賛否両論があるようですが、私はこの3作品が取り上げられたことを前向きに捉えています。

 この3作品が「過去に売れた」ことや「今でもそこそこ売れ続けている」ことや「(作者の方々には失礼ですが)もう古いかも知れない」ことは問題ではありません。大事なのは「この3作品が沢山模倣された」こと、言いかえると「この3作品がその後のライトノベルに大きな影響を与えた」ことなのです。*1

 そして、そうやってライトノベルの過去を知ることは、単なる回顧ではなく、ライトノベルの未来を知ることに繋がるはずだと思います。(そうでなければ悲しいです…)

 ただ、できれば3作品の細かな内容よりも、「この3作品の前後でライトノベルがどう変わったのか」あるいは「この3作品が現在のライトノベルにどういう影響を与えているのか」というところに焦点を当てて頂けると嬉しかったです。

*1:この3作品以外にも後のライトノベルに影響を与えた作品は色々あります。

黒歴史をもっと調べることが必要では

 「アルスラーン戦記」「スレイヤーズ」「ブギーポップ」のようにその後のライトノベルに大きな影響を与えた作品を調べることは、ライトノベルの現在、未来を考える上で重要だと思います。が、それだけでなく「影響を与えなかった作品」「潰えてしまった系統」を調べる必要もあるのではないか、とも思います。

 私はアンテナが弱く、他の方がどう考えられているか良く把握できていません。ですが、どうもライトノベルの流れを捉えようとする時、成功作ばかりが追いかけられているような気がします(あくまで感覚ですが)。これはおかしな感じがするのです。

 解説本に面白い作品が紹介され、年表に名作が並べられる、これは当然のことです。でも解説本では触れられることのない、袋小路に入ってしまった失敗作の方が成功作の何倍もある訳です。リアルタイムでその数々の失敗を見てきた人達はともかく、最近ライトノベルに興味を持たれ始めた人達はそれをご存知ないのではないかと思います。

 ライトノベルを1本の樹木に例えるなら、その木は色々な方向に枝葉を茂らせては多くを枯らせ、また色々な方向に枝葉を茂らせては多くを枯らせてきました。決して、優等生のように真っ直ぐに延びてきたものではないのです。

 例えば、ハードカバー路線の話題。現在のライトノベルにはハードカバーのレーベルがなく、そこに電撃がハードカバー路線を打ち出してきて少々話題になっています。けれども「ハードカバーのレーベルがない」のは「今まで一度もなかった」のではなく「あったけれども今に続いていない」からですよね。

 だからといって即、現在の電撃のハードカバー路線がうまくいかないなどとは言えません。過去と現在では状況が違います。メディアワークスもハードカバー路線を進めるに当って過去の例を調べられて、対策を考えられているでしょう。私も応援していますよ。何冊か買っていますし。

 でもどうもネット上のライトノベル界隈では「あったけれども続いていない」ことがあまり認識されていないような気がするのです。「今までなかった」と認識しているのと、「あったけれども続いていない」と知っているのとでは、「今後どうするべきか?」の考え方がだいぶ違うはずです。

 ……どうも今日は年寄り臭い話ばかりしてしまいました。お見苦しいところをお見せしてしまったかも知れません。私ももう若くないな、と思います。(^^;

 かなり愚痴っぽく書いてしまいましたが、私は今の混沌とした状況は好きですよ。ライトノベルの将来も楽観視しています。そう簡単に潰れませんよ。今までも失敗の連続だったんですし。(笑)

 まぁ、ライトノベルライトノベルという名前で呼ばれなくなったり、別の何か変わったりする可能性は十分ありますけれども。