力があるといえるのは模倣者ができたとき

 芸術家に力があるといえるのは模倣者ができたときだ。ミレーやクールベ、ルソーから免状をもらった者がいるかい。でも、多くの画家が彼らからの影響を受けて、彼らに引き寄せられている。
ルドン
巨匠に教わる絵画の見かた (リトルキュレーターシリーズ)、9ページより)

 私の大好きな言葉です。ライトノベルが芸術だとは思いませんが、創造性があるという点では、上のルドンの言葉はライトノベルにもあてはまると思います。

 さて、「ライトノベル完全読本Vol.3」で

ライトノベル完全読本 vol.3 (日経BPムック)

ライトノベル完全読本 vol.3 (日経BPムック)

アルスラーン戦記」「スレイヤーズ」「ブギーポップ」の3作品が「ライトノベル3大作品」として取り上げられています。このことに対して賛否両論があるようですが、私はこの3作品が取り上げられたことを前向きに捉えています。

 この3作品が「過去に売れた」ことや「今でもそこそこ売れ続けている」ことや「(作者の方々には失礼ですが)もう古いかも知れない」ことは問題ではありません。大事なのは「この3作品が沢山模倣された」こと、言いかえると「この3作品がその後のライトノベルに大きな影響を与えた」ことなのです。*1

 そして、そうやってライトノベルの過去を知ることは、単なる回顧ではなく、ライトノベルの未来を知ることに繋がるはずだと思います。(そうでなければ悲しいです…)

 ただ、できれば3作品の細かな内容よりも、「この3作品の前後でライトノベルがどう変わったのか」あるいは「この3作品が現在のライトノベルにどういう影響を与えているのか」というところに焦点を当てて頂けると嬉しかったです。

*1:この3作品以外にも後のライトノベルに影響を与えた作品は色々あります。