ぼくたちには色彩が足りない 色に関するLesson6 色合いで光を再現しよう

リンゴ


 人間の視覚は、明るいところでは黄色を、暗いところでは紫や青を見分けやすいようにできています。このため同じ光が反射していても、強く当っているところは黄色がかって見え、弱く当っているところは紫や青みがかって見えます。
 このことを利用して、黄色を使って光が強く当たっているように、紫や青で光が当たっていないように描く方法が、絵画やイラストではしばしば用いられます。例えばリンゴの明暗を描くならば、赤と白と黒を使うのではなく、白と黄色と赤と紫を使うのです。なるべく色を混ぜないで鮮やかさを引出すのがポイント♪混ぜると色が濁ってしまいます。
 羽住都さんのイラストはこうした色使いの典型です。「くつしたをかくせ!」は影の部分までも本当に鮮やかです。
 「山姫アンチメモニクス」の榎宮祐さんは、光の当る部分を黄色、影を紫で塗り、間に赤と緑を配置しています。一方、白と黒は混ぜないで使っています。色相環上で多角形を作る色を、白と黒と混ぜないで使うこと、これが鮮やかさの秘密です。
 
山姫アンチメモニクス
くつしたをかくせ!