茅田砂胡さん作品には相続・継承に関するエピソードが多い

ヴァッツ


 桜庭一樹さん作品は親子の対立が多いよなぁ、これを「移行対象殺害」と一般化する前に他の捉え方はないかなぁ、とかなんとか考えている際に、茅田砂胡さん作品でも親子の対立が多く描かれていることを思い出しました。

 茅田砂胡さん作品での親子の対立は「個人vs個人」というより、「血族vs個人」、「伝統vs革新」という形を取ります。

    • 主人公の王位継承問題が1つの発端。その後も王の世継ぎ問題がしばしばテーマになる。
    • 公爵家相続問題、暗殺者一族の継承など相続・継承に関わるエピソードが多い。
  • 桐原家の人々

桐原家の人々〈1〉恋愛遺伝学講座 (C・NOVELSファンタジア)

桐原家の人々〈1〉恋愛遺伝学講座 (C・NOVELSファンタジア)

    • 相続という訳ではないが、家庭内の複雑な血縁関係が最初から最後までテーマになっている。

スカーレット・ウィザード〈5〉 (C・NOVELSファンタジア)

スカーレット・ウィザード〈5〉 (C・NOVELSファンタジア)

    • 財閥の跡継ぎ騒動の話。
  • レディ・ガンナー

    • 「レディ・ガンナーの冒険」は伯爵家の相続問題の話。
    • 「レディ・ガンナーと宝石泥棒」「レディ・ガンナーと二人の皇子」は王位継承問題の話。

 ただし、「暁の天使たち」以降、この傾向は薄れていくように見えます。

 そういえば今野緒雪さんの作品も相続・継承の話が多いのではないでしょうか。未読ですが、ネット書店の紹介文を見る限り「夢の宮」や「マリア様がみてる」は相続・継承をテーマとした話として捉えられるように思います。