あんまし悩まないヒロイン、リナ=インバース

ドラまた


前島日記-スレイヤーズばなし
http://d.hatena.ne.jp/cherry-3d/20060602/1149270381

CAXの日記-スレイヤーズばなし
http://d.hatena.ne.jp/CAX/20060603/slayers


 私は「ロードス島」「フォーチュン・クエスト」「スレイヤーズ」でライトノベルにはまったので、「スレイヤーズ」にはかなり強い思い入れがあります。またそうした思い入れを差し引いて見ても、スレイヤーズが現在のライトノベルへ与えている影響は多大なものがあると考えています。が、ライトノベル論ブームが始まった時には既に「スレイヤーズは過去の作品だ」という空気ができてしまっていたようで、スレイヤーズ語りというのはあまり見られないのですよね。

 私も何か書けないかとスレイヤーズとオーフェンとフルメタを日常と非日常から見たメモ書き、または学園についてとかキャラ⇔キャラクターの切り替えとリアリティーの操作スレイヤーズに触れてみたのですが、まだまだスレイヤーズの魅力について説明できていないなぁと感じています。

 「スレイヤーズ」について語られている商業作品で、一番「なるほど」と感じたものは「中村うさぎのすきだぜっ!!ファンタジー

に収録されている中村うさぎさんとひかわ玲子さんの対談「英雄について」ですね。この対談はヒーロー/ヒロイン論でして、簡単にまとめると

  • 欧米のヒロイックファンタジーには2種類のヒーロー/ヒロインがいる
    • 集団の中(間)で葛藤するヒーロー/ヒロイン
    • それに対するカウンターとして登場した悩まないヒーロー/ヒロイン
  • リナ=インバースは後者の日本版なのではないか

と書いてあります。(この「ヒーロー/ヒロイン」というのは現代ファンタジー学園異能でいう「ヒロイン」とは少々ニュアンスが違います。いわゆる学園異能には主役とは別のキャラクターとしてヒロインがいる訳ですが、ヒロイックファンタジーのヒーロー/ヒロインは主役そのものです。)

 長期的に見ると「悩むヒーロー/ヒロイン」に飽きると「悩まないヒーロー/ヒロイン」が流行って、「悩まないヒーロー/ヒロイン」に飽きるとまた「悩むヒーロー/ヒロイン」が流行るのではないかという気もいたします。