鶴屋山登山記-番外編-ひょうたん形の石はどこだ

たんひょう橋欄干


 「涼宮ハルヒの陰謀」に登場する鶴屋山のモデルと思われる甲山(かぶとやま)を紹介する企画、「鶴屋山登山記」の番外編です。済みません、今回は甲陽園まで下りていく道について書くつもりだったのですが、「ひょうたん形の石」のネタがありましたのでそれで1回費やします。

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  • ひょうたん形の石はどこだ

涼宮ハルヒの陰謀」では1回目と4回目に紹介した登山道において「ひょうたん形の石」が登場します。が、私はその石を紹介していません。なぜなら現実の甲山にはそんなものは存在しないからです。恐らく「ひょうたん形の石」は谷川流さんのフィクションなのです。

 しかしそれでは夢がない、ということで数ヶ月間調べて出てきたひょうたん絡みのネタを2つ紹介します。

  • ひょうたん山

 まず最初に、甲山周辺に「ひょうたん」に関する地名がないかネット上で調べました。すると阪神水道企業団が上ヶ原浄水場と芦部谷の間に「ひょうたん山トンネル」なるものを建設していることが分かりました。このうち「上ヶ原浄水場」は甲山森林公園のすぐ東にあります。では「芦部谷」とはどこなのでしょうか?

「芦部谷」がどこのことなのか結局ネット上では分からなかったのですが、現地を歩き回っているうちにつきとめることができました。甲山の南西にある北山浄水場の案内板に「芦部谷」の位置が書かれていたのです。その案内板によると「芦部谷」は甲山森林公園内の「みくるま池」と「仏性ヶ原」という小山の間の、甲山渓谷の一部分を指す地名でした。

 上の地図の「みくるま池」と「仏性ヶ原」の間の白い三角形の地帯が「芦部谷」です。ちなみに上ヶ原浄水場は仏性ヶ原の東にあります。上ヶ原浄水場と芦部谷を繋ぐ「ひょうたん山トンネル」は、仏性ヶ原の下を通っていることになります。

 ということは「仏性ヶ原=ひょうたん山」と考えるべきなのでしょう。早速、軽登山道を登って行ってきました。

 石がごろごろしていますが、残念ながら頂上にも山腹にも「ひょうたん形」の石はありませんでした。なぜここが「ひょうたん山」なのかは今もって不明です。

  • 箪瓢菴(たんひょうあん)

 ひょうたん山から南西に約200mのところに「はり半」(はりはん、播半)という高級日本料理旅館があります。ありました。残念ながら2005年6月に休業し、現在もなお休業中です。住所は甲陽園東山ですが、甲山大師道沿いにあるので甲山の麓と言って差し支えない立地です。まずはその「はり半」の看板を見てください。

 あった、ありました。ひょうたんですよ〜。逆さまなので「箪瓢(たんひょう)」と呼ぶそうです。はり半のトレードマークで、はり半自体、別名「箪瓢菴」というようです。

 門にも「箪瓢菴」と書かれています。凝ったことに照明も箪瓢になっています。(笑)

 門から内部をちょっとだけ見ることができました。入るとすぐに谷をまたぐ橋が掛かっており、その先に急傾斜を活かした立体的な本館があったのだそうですが、門からでは橋までしか確認することができませんでした。

 はり半は「甲陽園つる家」とともに阪神地区を代表する料亭だったそうなので、案外、すでにない「つる家」の代わりにここが「鶴屋邸」のモデルになっているのかも知れません。

 またはり半から甲山大師道を少し南に行くと

「箪瓢橋(たんひょうはし)」という橋があります。この橋の欄干にも

箪瓢の浮き彫りが施されています。まぁでも鶴屋山のひょうたん石とは関係ないのでしょうね。お粗末さまでした。

  • 次回予告

 最後に鶴屋山(甲山)から光陽園駅(甲陽園駅)まで戻る道のりを説明して終了する予定です。……って前にも書いた気がしますが(汗)、今度こそ本当に最後にするつもりです。