カレーなる検証
す、凄いです。カレーひとつでここまで調べられるとは。感服いたしました。
ところで桜庭一樹さんが
そんなにもカレー育ちの割には小説にカレーが出てきたことも一度もない。
と書かれていますが、何か違和感があります。どこかでカレー、出てきませんでしたっけ。
と調べたら、まず「少女七竃」に何度か出てきますね。
「歌って踊ってカレールーの箱を片手に微笑むのはまっぴらごめんであります。はは」
桜庭一樹「少女七竃と七人の可愛そうな大人」110ページ
これは、まぁカレーが出てくるものの、食べている訳ではないのでセーフと言えるでしょう。では次はどうか。
四枚目のシングルレコードがようやくスマッシュヒットとなり、子供用の甘口カレールーのコマーシャルが転がりこんできたころのことでした。こましゃくれた子役たちと一緒にカレーを一口食べて、おいしい、と微笑む、その笑顔はラメの輝きとカレーの香辛料の匂いが入り混じっており、目はというと、相変わらず、卑しく濁っておりました。
これはアウトじゃないかなぁ。ただ「小説にカレーが出てきたことも一度もない」であって「小説にカレーが出てくることも一度もない」ではないので、上記のエッセーのあとに「ゴージャス」を書かれたのであればぎりぎりセーフということなのかも知れませんが。は!? もしや上記のエッセーは「これからついにカレーについて書くぞ!」という宣言だったのでしょうか。
……なんて馬鹿なことを書いているから「古典部」の短編も「僕僕先生」も読む時間が作れないのです。嗚呼。