「セカイ系」というけれど、それも見方の一つに過ぎなくて
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メフィスト5月号に掲載されている谷川流さんのコラム「日常の謎 五×二十」を読みました。
この「五×二十」を読んだり、谷川流作品の舞台を捜し歩いたりしていて思ったのですが、谷川流さんは最初に本当になんでもないように見える日常を提示しておいて、その日常が見方が変わったときに一気にひっくり返る面白さを書きたいんでしょうね。谷川流作品ではそのひっくり返り方が飛躍していて、日常の裏返しが地域社会などのいわゆる「中景」をすっとばして世界や宇宙の行く末に直結してしまうので「セカイ系」などと言われるのでしょうが、「当たり前に思えたことが認識の変化によって全く別のものに見えてくる」という新鮮な驚きを書いているのだと捉えれば、別にユリイカ4月号のように
ユリイカ2007年4月号 特集=米澤穂信 ポスト・セカイ系のささやかな冒険
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谷川流さんを「セカイ系」、米澤穂信さんを「ポスト・セカイ系」と位置づけて比較する必要はあまりないのではないかと思います。
そりゃあ、谷川流さんの作品を米澤穂信さんや桜庭一樹さんの作品のように地域社会との関係で解釈することは難しいと承知しておりますけれどもね。笠井潔さんが米澤さんと桜庭さんを推したのも分かる気がしますよ。