メモ-それぞれの言い分

  • 蜩篤史の言い分

「左右どっちの道を選択するのかなんて、そん時の俺の気分しだいだろ。それでも俺はレールの上を歩いているっていうのか?」
「そうだ。キミがどちらの道でそぞろ歩きを楽しもうが関係ない。キミは必ず一方の道を選択し、同時に二つの道を歩くことが出来ないからだ。結果として、キミはレールの上を歩くことになる」
「なんでだよ。その場合はレールは二つに分岐するんじゃないのか?」


谷川流学校を出よう!4」P140

  • 高崎佳由季の言い分

僕が何を思おうと結局はそうなることになっていたのだろうか。
 ある意味ではそれはとても楽なことだ。進む道が準備されているのなら、その上を歩いているだけでいい。道案内は誰かが勝手にやってくれる。自分はあれこれ悩む必要もなく、ただ歩き続ければいいのだ。
「バカげてるな」


谷川流学校を出よう!4」P335

すべては環境が悪いのだ。どれかを選ぼうとして選択肢のすべてが誤りだとしたら、その問題文は無効にすべきである。何を選んでも誤答になるのだから、白紙で提出することに何の問題があるだろうか。


谷川流学校を出よう!4」P163

  • 宮野秀策の言い分

物語は、もはや自分が物語であることに無自覚ではいられない時期に差し掛かっている。無邪気な自己完結で終結することのできた時代は過去のものだ。それでは物語はいつまでも進化をしない。何であれ、特定の種やカテゴリーの繁栄が一時期のものに過ぎないということは、これまでの歴史が証明している。我々はそろそろ袋小路に差し掛かっているのだ。


谷川流学校を出よう!4」P150〜151