景色は変わる。時間が経つほど、聖地探索は難しくなる。

 現在、兵庫県道82号の西宮甲山高校前から鷲林寺交差点あたりにおいて改良工事、というか拡幅工事が行われています。

 上の写真は西宮甲山高校前です。この県道82号は、谷川流さんの「学校を出よう!」1巻で高崎兄妹が第三EMP学園から降りてくる道筋のモデルであると私が確信している道路です。高崎兄妹は、ちょうどこの少し南の鷲林寺あたりの田畑でミステリーサークルを見たあと、路線バスに乗るのではないかと考えています。

(ちなみに上の写真で山上に建っている鉄塔が第三EMP学園の推定立地モデルである船坂無線中継所でして、場所さえ知っていれば阪神地区からなら大体どこからでも見ることができる、東六甲で最も目立つ建築物です。)

 しかし県道82号は山間部から市街地まで各所で繰り返し工事が行われており、谷川流さんが「学校を出よう!」の1巻を書いていた2002年〜2003年頃の様子でさえ、想像するのは容易ではなくなってきています。しかも谷川流さんは自身の学生時代の景色を元に描いている節があるので、そのモデルは1980年代からあまり変わっていない場所でないと確実とは言えず、推定はなおいっそう難しいものになります。私も現在の工事が始まる前の様子を見ていなかったら「高崎兄妹はここを歩いたのではないか」とは考えなかったかもしれません。

 そして恐らくまだ私が見つけていない舞台モデルでも、現在進行形でこうして景色が変わっているのでしょう。もちろん、昔の地図を入手したり、過去の航空写真を見て調べてもいます。しかし、やっぱり自分の目で景色を見て、作中の描写と似ているかどうかを確かめるのが一番な訳でありまして、時間が経つほど、聖地探索は難しくなっていくのです。