「震災」という名の呪縛

震災の地を舞台とした物語としての「涼宮ハルヒの憂鬱」という部分に時々ひっかかりを感じてる記事を後天性無気力症候群のぎをらむさんは書いているが。ぼく的に今現在は語る事が出来るような蓄積と消化がこの件に関しては無い。

震災/ハルヒ/ゲーム的リアリズム - 星ぼしの荒野から

ハルヒ」というよりも「谷川流作品」が対象なのですけれども、舞台モデルの大半が阪神地区であるために、私はそこにどうしても「阪神・淡路大震災」のイメージを重ね合わせてしまう傾向があります。

 たとえば現在「電撃文庫MAGAZINE」に連載されている谷川流さん原作、菜住小羽さん作画のコミック「蜻蛉迷宮」では、主人公の住む邸宅が登場しますが、その洋館部分は神戸北野異人館の「シュウエケ邸」をモデルにして描かれています。


 上:「蜻蛉迷宮」第7話12ページ目、1コマ目。
 下:神戸北野異人館「シュウエケ邸」(パンフレットの写真より)。


 そしてこの「シュウエケ邸」、阪神地区にある建造物の例に漏れず、阪神・淡路大震災で被害を受けています。

 一旦こうした写真を見てしまうと、私は『「蜻蛉迷宮」は震災と関連するテーマがあるのではないか』という考えにとり憑かれてしまうのです。シュウエケ邸がモデルに選ばれたことが谷川流さんの意向であるかどうかすら確認できないにも関わらず。

 でも、控えめに見ても「学校を出よう!」の1巻は震災をモチーフにしている可能性が高いと考えられるのですけれども……永遠に解くことが叶わない謎ですね。