武庫川渓谷にもう一つの廃線がある?

武庫川導水線路

千苅貯水池より上ヶ原構場に至る水路を武庫川導水線路と称う而して此導水線路は千苅貯水池の堰堤下即ち有馬郡道場村の内生野村より或は阪鶴鉄道線に沿い又は之を用談し浜塚に至り右折して武庫郡甲東村の内上ヶ原新田即ち上ヶ原浄水構場に達するものにして

(中略)

導水線路の隧道は武庫川沿岸の山間部にして峻険なる山嶺起伏の間を串通すべく掘鑿するものなるが故に歩行すら困難の箇所多く従って其工事材料の運搬極めて至難なり依て武庫川沿岸に幅員六尺乃至三尺延長二里半余の運搬道路を築設し其要部には軽便軌条を敷設し工事材料運搬の用を弁じつつあり

神戸市水道工事梗概 (一〜六)大阪朝日新聞 1915.5.18-1915.5.26(大正4)

 兵庫県武庫川渓谷にはかつて国鉄福知山線の旧線が走っており、その廃線跡がハイキングコースとしても有名ですが、上記の記事によるとその渓谷にもう一つ工事用の軽便軌条(小型の鉄道)が走っていたことになります。

 しかし私はこの軽便軌条跡について聞いたことがありませんし、Web上にも情報は無いようです。今でも痕跡が残っているのでしょうか。川沿いの県道が廃線跡そのものかも知れませんが。