太陽が乾いている……

giolum2006-03-28

いわゆる屋上少年が屋上少女と出会う物語、より広義にいえば全てのジュブナイルは、挫折と去勢を代償として社会の一員へと参入する、あるいは参入を許されず永遠の挫折者として周縁部に留まり続ける、というイメージがある。


BLUE ON BLUE(XPD SIDE)-窓際中年のリリシズム(メモ)
http://d.hatena.ne.jp/crow_henmi/20060326#1143362795

 前者が「浪漫の騎士」、後者が「竹泡対談」ですね。(←重度の竹泡症患者)

 ところで私はずっと富士見ミステリー文庫の「しずるさんとよーちゃん」シリーズはブギーポップの「浪漫の騎士」「竹泡対談」の延長だと思っています。しずるさんとよーちゃんは屋上ではなくて丘の上の病院の病室で会う訳ですけれども。

 しずるさんとよーちゃんの話は一向に進まないように見えます。一方で二人は病室の中で「はりねずみチクタ」の成長物語を創作しています。こういうメタフィクションって作中キャラクターによる物語消費なんじゃないかと思うのですよね。チクタの物語が完結する時、しずるさんとよーちゃんにも大きな転機が訪れるような気がするのです。*1

*1:逆に言うと、チクタの話が進まないとしずるさんとよーちゃんの二人にも進展がないような気がします。