ファンタジア文庫の枠は思っていたよりずっと柔らかかった

 「とある文庫の禁書目録」で作成した富士見ファンタジア文庫リストを応用してAmazon書影を表示させていて気付いたこと。

 ファンタジア文庫の枠を破れ
 のべるのぶろぐ-富士見フォーマットを打ち砕け
 玲朧月の気分次第で何か書/描こう-表紙装丁

 などで触れられていますが、最近のファンタジア文庫には表紙のフォーマットから大きく逸脱したものがあります。「殺×愛」「煉獄のエスクード」「魔法遣いに大切なこと」などが代表的です。

魔法遣いに大切なこと 太陽と風の坂道(1) Saudade――サウダーデ (富士見ファンタジア文庫)
煉獄のエスクード RAINY DAY & DAY (富士見ファンタジア文庫)
殺×愛 0 ―きるらぶ ZERO― (富士見ファンタジア文庫)
 
 
 
 
 
 
 

 上の3点のうち「魔法遣いに大切なこと」は見落とされがちですが、これもファンタジア文庫です。ミステリー文庫ではないですよ。ミステリー文庫版はこっちです。

……いや、見分け付かないって(汗)。どうして同じシリーズをファンタジア文庫とミステリー文庫から出すのでしょう。(^^;

 それは置いておきまして、このフォーマットからの逸脱がいつから始まったかですが、私は2004年頃からだと思っていました。ゐんどさんや玲朧月さんも大体同じように思われていたのではないでしょうか?

 ところがところが、リストを作ってみたらもっと前からそうした例はあるのです。例えば2003年の「ディヴァイン・ハート2」。

 もう、この時点で底が抜けています(あとからカバーが変わった新装版ってことはないですよね?)。さらに遡って行くと、Amazonに表紙画像があるものだけでも1999年の「六門世界3」まで辿ることができます。

 これ以前になると、ファンタジア文庫自体、Amazonの書影がほとんどありません。ですのでこれ以前にもフォーマットを破った表紙があった可能性は充分考えられます。
 一方、タイトルロゴも2000年の「モンコレナイト」の時点ですでに異形体が使われてます。

 1988年の枠が無い「超能力はワインの香り」を例外中の例外としても、表紙フォーマットは以前からそれほど堅いものではなかったのです。「殺×愛」のようなフォーマットの完全破棄はここ最近のことでありますが、「富士見ファンタジア文庫のイラストが枠からはみだしたのは最近である」というのは、ただの先入観だったのでした。

 ……と偉そうに書きましたが、その先入観に誰よりも捕らわれていたのが他でもない私自身でして(汗)、気を付けなければならないと改めて思った次第です。