地方都市の少女が大都市に出ていく物語についてのメモ

少女七竈と七人の可愛そうな大人

少女七竈と七人の可愛そうな大人

 ようやく「少女七竈と七人の可愛そうな大人」を読みました。これはこれまで発表されてきた

    • 大都市が舞台の「赤×ピンク」

の間を補う

    • 地方都市の少女が大都市に出ていく過程を描いた作品

だと思います。徐々に

 桜庭作品*3 *4には地方からの離脱が、桜坂作品*5 *6 *7にはユートピアからの脱出が、それぞれ根底に流れており、育ってきた環境とも密接に関連しているのではないか、というお二人ご自身の分析が印象的。


http://d.hatena.ne.jp/yomimaru/20050716#hamacon

 桜庭さん曰く「マルチエンドを全て含めて1つの話を作りたい」「それがゲーム的にとらえられるかも知れません」


京フェスリアル・フィクションとは何か?」レポ
http://d.hatena.ne.jp/giolum/20051012#1129053212

「マルチエンドを全て含めた、地方から離脱する物語」の全貌が見えてきたのではないでしょうか。

 以下、「GOSICK」を除く「赤×ピンク」以降の桜庭一樹さん作品の主なキャラの分類メモです。「荒野の恋」の神無月悠也のようなどこにも当てはまらないキャラもいますが大部分はカバーできるのではないかと考えています。

  • 主役たる地方都市の少女

 地方都市出身で、年齢が高くなるとだんだん外に出ていくようになり、最後は大都市に移動。

  • 主役の少女と対になる類型キャラその1、破滅型

 主役の少女と逆の動きをすることが多い。移行対象の役割?

  • 主役の少女と対になる類型キャラその2、中性型

 少女だと少年っぽく(巣籠カナと海野藻屑も)、少年だと少女っぽい。年齢が高くなると本来の性別っぽくなることが多い。

*1:第二部まで