地方都市の少女が大都市に出ていく物語についてのメモ
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
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ようやく「少女七竈と七人の可愛そうな大人」を読みました。これはこれまで発表されてきた
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- 地方都市の「7人の女の子をめぐる7つの物語」(の一部)
- 「推定少女」
- 「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 」
- 「荒野の恋」
- 「少女には向かない職業」
- 「ブルースカイ」もここか?
- 「ぼくのクドリャフカへ。」(未発表)
- 地方都市の「7人の女の子をめぐる7つの物語」(の一部)
と
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- 大都市が舞台の「赤×ピンク」
の間を補う
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- 地方都市の少女が大都市に出ていく過程を描いた作品
だと思います。徐々に
桜庭作品*3 *4には地方からの離脱が、桜坂作品*5 *6 *7にはユートピアからの脱出が、それぞれ根底に流れており、育ってきた環境とも密接に関連しているのではないか、というお二人ご自身の分析が印象的。
桜庭さん曰く「マルチエンドを全て含めて1つの話を作りたい」「それがゲーム的にとらえられるかも知れません」
京フェス「リアル・フィクションとは何か?」レポ
http://d.hatena.ne.jp/giolum/20051012#1129053212
「マルチエンドを全て含めた、地方から離脱する物語」の全貌が見えてきたのではないでしょうか。
以下、「GOSICK」を除く「赤×ピンク」以降の桜庭一樹さん作品の主なキャラの分類メモです。「荒野の恋」の神無月悠也のようなどこにも当てはまらないキャラもいますが大部分はカバーできるのではないかと考えています。
- 主役たる地方都市の少女
地方都市出身で、年齢が高くなるとだんだん外に出ていくようになり、最後は大都市に移動。
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- マリー(ブルースカイ):10歳、地方都市→?
- 山野内荒野(荒野の恋):12〜14歳、地方都市*1
- 大西葵(少女には向かない職業):13歳、地方都市
- 山田なぎさ(砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない):13〜16歳、地方都市
- 巣籠カナ(推定少女):15歳、地方都市→大都市→地方都市
- 青井ソラ(ブルースカイ):17歳、地方都市→?
- 川村七竈(少女七竈と七人の可愛そうな大人):17歳、地方都市→18歳、大都市
- ミーコ(赤×ピンク):(15歳、地方都市→)19歳、大都市
- まゆ(赤×ピンク):(〜18歳、地方都市→)19〜21歳、大都市
- 主役の少女と対になる類型キャラその1、破滅型
主役の少女と逆の動きをすることが多い。移行対象の役割?
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- 宮乃下静香(少女には向かない職業):13歳、大都市→地方都市
- 海野藻屑(砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない):13歳、大都市→地方都市
- 白雪(推定少女):?歳、?→地方都市→大都市→?
- お兄ちゃん(推定少女):20歳過ぎ、地方都市→?
- 主役の少女と対になる類型キャラその2、中性型
少女だと少年っぽく(巣籠カナと海野藻屑も)、少年だと少女っぽい。年齢が高くなると本来の性別っぽくなることが多い。
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- 水前寺千春(推定少女):15歳、大都市
- 桂雪風(少女七竈と七人の可愛そうな大人):17〜18歳、地方都市
- 山田友彦(砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない):17歳、地方都市→(18歳〜、自衛隊)
- 皐月(赤×ピンク):19歳、大都市
- ディッキー(ブルースカイ):24歳、大都市
*1:第二部まで