ハーレム展開からBLルートへ!? 「二年B組の一存 碧陽学園生徒会議事録外伝」

 リッパーさんがプッシュしているので昨日取り上げたドラゴンマガジン2008年7月号付録の葵せきなさん著「二年B組の一存 碧陽学園生徒会議事録外伝」の中身を読んでみました。

 シリーズ本編中で執筆されているBL小説内のキャラクター、中目黒善樹少年が本当に碧陽学園に転校してきてしまうというお話。生徒会ハーレムエンドを狙う杉崎鍵(シリーズ全体の主人公)はBLエンドを回避するため、善樹には関わらないようにしようとするのだが……やることなすこと裏目に出て、善樹とのフラグが立ちまくる。

 誰だ! モニターの向こうで俺をBLルートに誘導しようとコマンド選択しているのは!(杉崎鍵、心の中の叫び)

 果たして、鍵と善樹は後戻りできない分岐点を越えて禁断のBLルートに行ってしまうのか!?


 ギャルゲーシチュエーションのメタフィクションをBLで切り返す荒業に唖然&爆笑です。善樹の悪意のない一人称語りと、BL進行を恐れつつも善樹を気にせずにいられない杉崎鍵の姿も絶妙。葵せきなさんって美少女をメインに出さなくてもこんな面白い話が書けるんだ!(笑)


 後日ファンタジア文庫版に収録される可能性もあるので、この付録のためだけに740円のドラゴンマガジンの購入をお薦めするのはちと微妙なのですが、「生徒会」シリーズのファンの方には垂涎の一品だと思います。