「角川mini文庫」を覚えていますか

まあ、なんつーの、角川mini文庫なんて“付録”に金払ってたことに比べれば、雑誌を買ったおまけで読めるのは幸せじゃないか。


Angel Heart Club(2008/5/25)

 角川mini文庫。そういえばありました、そんなものが。(笑)

「角川mini文庫」は角川書店グループが1996年から刊行していた小さな文庫本です。内容はライトノベルに限らず、角川書店富士見書房が扱うほぼすべてのジャンルに渡っていました。刊行点数は約200点。定価はほとんどが税別200円にそろえられていました。

 通常の文庫本とくらべるとこんな大きさです。

 縦は文庫本の約75%、幅は約80%です。縦横の比率が文庫と違うのは、

mini文庫が新書の半分のサイズで作られていたからです。ラミネートと紙の伸縮具合が違うのか、表紙が反りやすいですね。

 巻末には創刊の辞が載っています。

角川ミニ文庫創刊にあたって

私は常日ごろ出版現場の真っ直中にあって、時代の変化が、出版の限りない可能性の発火点になり、同時にまた、出版の新しいかたちが次の時代を切り開く力になると信じてきた。
そして、活字の宝庫を旅するにはどんな入り口に立とうと、どんな形を選ぼうとかまわないと信じてきた。
ミニ文庫は、文庫の宝石とも云うべき存在をめざしてうまれた。この文庫は大衆化をより自らのものとするとともに、来るべき21世紀を予感させる出版形態となるかもしれない。
そんな夢と期待をこめてこのシリーズを世に送り出す。
世の新しき人々よ、どうぞこの小さな器にもられた大きな”志”を、ぬくもりある掌で受け止められんことを。
 一九九六年十月 角川書店社長 角川歴彦


角川mini文庫巻末より

 21世紀を予感させたかどうかは分かりませんが、2000年頃までは刊行が続いていたと思います。今ではほとんどが絶版ですが、一応角川書店の公式サイトには「角川mini文庫」のコーナーが残っていますね。

 古本屋では、扱いにくいのかあまり見かけないです。