「角川mini文庫」を覚えていますか
まあ、なんつーの、角川mini文庫なんて“付録”に金払ってたことに比べれば、雑誌を買ったおまけで読めるのは幸せじゃないか。
角川mini文庫。そういえばありました、そんなものが。(笑)
「角川mini文庫」は角川書店グループが1996年から刊行していた小さな文庫本です。内容はライトノベルに限らず、角川書店・富士見書房が扱うほぼすべてのジャンルに渡っていました。刊行点数は約200点。定価はほとんどが税別200円にそろえられていました。
通常の文庫本とくらべるとこんな大きさです。
縦は文庫本の約75%、幅は約80%です。縦横の比率が文庫と違うのは、
mini文庫が新書の半分のサイズで作られていたからです。ラミネートと紙の伸縮具合が違うのか、表紙が反りやすいですね。
巻末には創刊の辞が載っています。
角川ミニ文庫創刊にあたって
私は常日ごろ出版現場の真っ直中にあって、時代の変化が、出版の限りない可能性の発火点になり、同時にまた、出版の新しいかたちが次の時代を切り開く力になると信じてきた。
そして、活字の宝庫を旅するにはどんな入り口に立とうと、どんな形を選ぼうとかまわないと信じてきた。
ミニ文庫は、文庫の宝石とも云うべき存在をめざしてうまれた。この文庫は大衆化をより自らのものとするとともに、来るべき21世紀を予感させる出版形態となるかもしれない。
そんな夢と期待をこめてこのシリーズを世に送り出す。
世の新しき人々よ、どうぞこの小さな器にもられた大きな”志”を、ぬくもりある掌で受け止められんことを。
一九九六年十月 角川書店社長 角川歴彦
角川mini文庫巻末より
21世紀を予感させたかどうかは分かりませんが、2000年頃までは刊行が続いていたと思います。今ではほとんどが絶版ですが、一応角川書店の公式サイトには「角川mini文庫」のコーナーが残っていますね。
古本屋では、扱いにくいのかあまり見かけないです。