震災ハルヒ仮説・概要

 以下に書くことはおよそ一ヶ月前に考え付いたものです。が、すべてを逐一説明していくと膨大な文章量になってしまい、いつまで経っても発表することができないので、とりあえず要点だけ箇条書きしたものを出します。

  • 概要及び対象

学校を出よう!―Escape from The School (電撃文庫)

学校を出よう!―Escape from The School (電撃文庫)

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

    • 上記作品の続編やメディア展開作品は、考察を簡略化するために、とりあえず対象としない。
  • 確認済み、確定的なこと
      • 主人公が主な舞台となる地域から一旦別の都市に行かされ、そこで都市の損壊を見せられる。主舞台に戻った後、クライマックスにおいて、主人公の通う学校の校舎が前述の都市と同じ原因で損壊する。
      • ただし「涼宮ハルヒの憂鬱」においては、都市と校舎の損壊は「閉鎖空間」内での現象であるとされ、作中の日常世界では都市と校舎は無事である。
    • 舞台モデル
      • 学校を出よう!
        • 主な舞台モデルは兵庫県西宮市南部。
        • 主人公の通う学校「第三EMP学園」の校舎のモデルは、作者の出身校である兵庫県立西宮北高。
        • 損壊する都市のモデルは不明。ただし阪神地区。
      • 涼宮ハルヒの憂鬱
        • 主な舞台モデルは兵庫県西宮市南部。
        • 主人公の通う学校「北高」のモデルは、作者の出身校である兵庫県立西宮北高。
        • 損壊する都市のモデルは大阪。
  • 仮定
    • 学校を出よう!」で損壊する都市のモデルは、西宮から見て大阪と反対側に位置する神戸ではないか? 損壊のモデルは、神戸に大きな被害をもたらした阪神・淡路大震災ではないか?
      • 上の仮定は現時点で正しいと証明できない。ただし証明には不十分ながら次の根拠がある。
        • 作中で損壊する橋のモデルは西宮市内の苦楽園口橋か大井手橋のどちらかの可能性が高いが、どちらの橋も震災で損壊し、掛け直されている。
        • 作中で損壊する校舎のモデルである西宮北高の校舎は震災で損壊し、建て直されている。
        • 作中でビルが倒壊し、道路が陥没しているが、谷川流さんが生まれて以降、阪神地区でそのような災害が同時に起きたことは震災以外にない。
  • 仮説

 以上の「確認済み、確定的なこと」及び「仮定」から次のような仮説を考える。


    • 学校を出よう!」は震災時に被害の大きかった神戸と西宮(北高)のイメージを重ね合わせているのではないか? だから損壊するのを見せられた都市(神戸)と同じ原因で、戻った第三EMP学園(西宮北高)の校舎も損壊するのではないか?
    • 一方、西宮、とりわけ西宮北高からは大阪がよく見える。震災時に被害の大きかった西宮(北高)と、そこから見える被害の小さかった大阪。この光景のギャップが「涼宮ハルヒの憂鬱」における「閉鎖空間」のヒントになったのではないか? すなわち
      • 震災時に大阪を見て、大阪でも西宮(もしくは神戸)のような大きな被害がでる場合を想像したのが、都市における「閉鎖空間」ではないか?
      • 震災時の西宮北高を見て、大阪のような小さな被害で済む場合を想像したのが、北高において「閉鎖空間」を脱出した後の日常ではないか?
    • 学校を出よう!」は震災時に西宮から神戸を、「涼宮ハルヒの憂鬱」は西宮から大阪を見た作品であり、震災の被害の大きかった神戸と小さかった大阪の中間に位置する西宮の地理が両作品を生んだのではないか?
    • ただし、谷川流作品によく見られる「閉鎖空間」のような多重世界観には、作者の好きなSF諸作品からの影響も非常に大きいと考えるのが妥当である。
  • 補足
    • 上記のうち「仮定」「仮説」は間違っている可能性がある。
    • 「確認済み、確定的なこと」は間違っている可能性がほとんどない。これを、「仮定」「仮説」と分けたのは、「仮定」「仮説」が間違っていた場合でも、考察の後戻りを少なくするためである。

文学の断層 セカイ・震災・キャラクター

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  • 関連

被害を受けた場所を見てどう思った? 何を思った? 自分には関係のない、圏外での災難だと感じたか? 破壊と混乱と困惑の疵痕についての感想は? やはり関係ないと思っただろうか? 残念なことだが、今やキミは傍観者ではないのだ。いや、最初から違っていた。それを知らなかっただけなのだ。


谷川流学校を出よう!」1巻284ページ

建物を破壊する巨人等が描かれたりするんですが、私にはどうしても「コウベ地震阪神・淡路大震災)」の暗喩であるように思えてならないんですね。そうであると思えば思うほど、いやそんなはずはないんでしょうけれども、それを扱った作品に思えて仕方がないんです。


( ゚ペ)【読書】「涼宮ハルヒの憂鬱」谷川流(その2) - ( ゚ペ)ノ 記者でGO!φの日記