「後期印象主義」より「ポスト印象主義」を使いましょう
結局「行く時間ないよなぁ……」とブチブチ言っていた「ポーラ美術館の印象派コレクション展」と「プーシキン美術館展」の両方を強行日程で見に行ったのですが、どちらでもセザンヌ、ゴーギャン、ゴッホを「ポスト印象主義」と呼んでいたのに気付きました。
美術書では大抵セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホを「後期印象主義」と呼んでいます。「Post Impressionism」の和訳なのですが、どういう訳か「Post」が「後期」と和訳されてしまったのですよね。
しかし「後期印象主義」と呼んでしまうと、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホがまるで印象主義の画家のようにとられてしまいます。これは多分多くの人が誤解していると思います。いえ、セザンヌとゴーギャンは印象派展に出品していたので印象派と言えなくはないですが、いわゆるセザンヌ的、ゴーギャン的な作風は主観的な表現が含まれていて、客観性を目指した印象主義とは大きく異なるものです。
「ポスト印象主義」ならば、そういう誤解が生まれにくいでしょう。「ポスト印象主義」という用語が使われ始めているのもそういう理由だと思います。
まぁ「Post Impressionism」なんて、形式的な分類に過ぎなくて、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホをひとまとめに扱うことに無理があるんじゃないかと言われればそれまでなのですが。