主人公よりも先に真相に辿り着く女性

 11月4日の講演会で聞いたことから膨らませた、米澤穂信作品に関するメモ。

  • 探偵役を割り振られた大刀洗万智
    • 古典部シリーズ」の探偵は基本的に折木のみ。
    • 元々「古典部」として書き始められた「さよなら妖精」では、探偵役を守屋から太刀洗に割り振ったとのこと
    • そして太刀洗の方が守屋よりも先に真相に辿り着く
  • 以後、「古典部シリーズ」以外では主人公よりも先に真相に辿り着く女性が登場している
    • 「小市民シリーズ」の小佐内ゆき
    • 「犬はどこだ」の佐久良桐子
    • ボトルネック」の嵯峨野サキ
      • 佐久良桐子は探偵ではないが、小佐内ゆきと事件への関わり方がよく似ている
  • 3人とも主人公と対をなす登場人物
    • 小佐内ゆきと小鳩常悟朗はミステリー時空の住人
    • 佐久良桐子と紺屋長一郎は経歴が似ている
    • 嵯峨野サキと嵯峨野リョウは姉弟
    • 主人公は自分と似ている女性に、先に真相に辿る着かれることで挫折する
  • 「真相に辿り着く」という表現が適切でないなら「事件を解決する」とでもいうべきか
    • 米澤穂信さんの作品の主人公は事件を解決しない、あるいは解決できない
    • 事件を解決するのは主人公と対をなす女性の役割