情報を共有している人の間ではわずかなヒントからキャラクターが伝わってしまう

 4/15にLNF(ライトノベルフェスティバル)に行って来ました。当日ご一緒してくださった方々ありがとうございました。

  • 素人の描くキャラクターイラスト

 LNFの中で、少々印象に残る出来事がありました。それは「勝ち残れ! ライトノベルクイズ」という企画の中でのことでした。

 企画の後半で、イラストの素人な方が描いたキャラクターをスクリーンに写し出し、それを5チームの解答者が何のキャラかを当てる問題がありました。そしてその終盤に、東浩紀さんが描いたイラストと大森望さんが描いたイラストが写し出されたのです。お二人のイラストは実に驚くべきものでした。あえて言語化するならば……

    • 東さんのイラスト:近代のリアリズムを軽やかに超越するポストモダンな画風でした。絵とは二次元であることを強く再認識させられる、メタな芸術性がありました。
    • 大森さんのイラスト:イラストという言語を何か全く違うものへと翻訳したような、東さんに負けず劣らず前衛的な画風でした。これぞセンス・オブ・ワンダー


 済みません、ウソです。東さんも大森さんも超絶的・壊滅的に絵がヘタだったのでした。そのヘタさをネタにできるお二人の寛容さを尊敬いたしますが、真に驚くべきことはそのあとに起こりました。

  • キャラクターが認識されてしまう

 東さんのイラストは1枚。大森さんのイラストは2枚。お二人で計3枚。解答するのは5チームなので、この3枚に限れば問題は計15問あったことになります。そして解答の結果は

 正解率=14問/15問=93%

 ウソだろおぃ。いや、私も東さんが描いたのがキノで、大森さんが描いたのがブギーポップ涼宮ハルヒだって分かりましたよ。しかしいくら司会の方が「ライトノベルのキャラクターです」と説明し、解答者の方がライトノベルに詳しいという特別な条件だとしても、あの落書き(失礼)からどうやってそんなに正確にキャラクターを推測できるんですか。(^^;

 お約束の共通言語とでも言うべきでしょうか。描く側、見る側の双方にとって知名度の高いキャラクターは、情報量がとても少なくても、しかもそれが劣化していても伝わってしまうのだということを実感しました。

 同じ事をマニアではない方に対してやってみたらどうなるのでしょう。興味深い結果がでそうですが。